松山 薫 教授
Matsuyama Kaoru
- 専門分野
- 人文地理学
- キーワード
- 軍用地、戦争と地域、日輪兵舎、満洲開拓、伝統的建造物、ドイツ、アイルランド
戦争の痕跡-旧軍用地や日輪兵舎を例にー
昭和戦時期と戦後期を中心に、戦争が地域・空間に与えた影響について地理学的に研究しています。特に日本の旧軍用地(旧陸海軍用地)の立地と、戦後それらの土地がどのように転用されたか、また米軍施設の立地が地域にどのような影響を与えたか等について研究してきました。さらに、戦前の満蒙開拓青少年義勇軍の訓練施設の建物として考案された「日輪兵舎」という、戦後はほぼ忘れられていた建物の存在を見出し、満洲移民送出政策に関する見落とされていた側面を分析しています。いずれの研究も、始めた時は、類似の研究を行う人はみられない状況でしたが、そうした未知なるテーマに対し嗅覚を働かせ,自ら掘り起こしていくことが研究の楽しみでもあります。
- 担当科目
- ・歴史文化フィールドワーク基礎 ・人文地理学 ・地理学概説 ・地誌学 ・地理と情報 ・観光文化論
・観光と行政 ・文化遺産論 ・演習Ⅰ・Ⅱ ・卒業論文
- 所属学協会
- 日本地理学会、人文地理学会、東京地学協会、東北地理学会、歴史地理学会、経済地理学会、日本地図学会、日本観光研究学会、日本地域政策学会、軍事史学会
- 主な業績
- 【書籍】
・『地図でみる山形―市街地に刻まれた出羽の歴史―』(共著、海青社、2021)
・『身近な地域の環境学』(共著、古今書院、2010)
・『人口減少と地域-地理学的アプローチ』(共著、京都大学学術出版会、2007)
【論文】
・「「日輪兵舎」がみた戦中と戦後ー山形県の現存建物の事例からー」(『山形大学歴史・地理・人類学論集』 18、2017)
・「日本各地の「日輪兵舎」ー 忘れられた満蒙開拓青少年義勇軍の象徴ー」(『季刊地理学』 67-3、2015)
・「満蒙開拓の痕跡をたずねて-山形県にあった「日輪兵舎」〔序章〕-」(『東北公益文科大学総合研究論集』 8、2004)
・「埼玉県における初期の戦後開拓(1945-1955年)と旧軍用地」(『お茶の水地理』39、1998)
・「関東地方における旧軍用飛行場跡地の土地利用変化」(『地学雑誌』 106-3、1997)
【シンポジウム報告】
・「軍都の系譜ー旧軍用地の転用過程の政治的・社会的特異性」(人文地理学会第290回例会[特別例会]公開シンポジウム「軍都の歴史と地理」、 2019)
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- 略歴
- お茶の水女子大学文教育学部地理学科卒業、東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻博士課程修了、東北公益文科大学専任講師、准教授を経て現職
- 学位
- 博士(学術)(東京大学、「第二次世界大戦後の日本における旧軍用地の転用に関する地理学的研究」 )